『カフカ・セレクション1時空/認知』

平野嘉彦さんチョイスのカフカ作品集。平野さんは、ドイツ語文学研究者としてとてもユニークな人で、僕も大ファンです。この『カフカ・セレクション』(全三冊)ですが、第1巻を読むと、コアなカフカファン向けという感じを明らかに受けました。平野さんの『…

雑誌『考える人』2008年5月号、8月号

5月号・・・海外の長編小説ベスト100が載っている。やっぱりドストエフスキーが強いんだな。僕が少し気になったのは、世紀末のイギリス文学に対する評価が低いこと。H.Gウェルズとか、アーサー・ドイルとか、ブラム・ストーカーとか。やはり、通俗小説扱いなの…

五十嵐大介『海獣の子供』(3)

ベンヤミン的に素晴らしい。海獣の子供 (3) (IKKI COMIX)作者: 五十嵐大介出版社/メーカー: 小学館発売日: 2008/07/30メディア: コミック購入: 5人 クリック: 272回この商品を含むブログ (104件) を見る

DS版ドラクエ5プレイヤーさんに10の質問

ドラクエ5攻略|極限攻略データベースから Q1.あなたのお名前(ハンドルネーム)を教えてください。よろしければ年齢と性別も教えてください。 karakozov 25 男Q2.今のプレイ時間はどれくらい?また、どの辺まで進めましたか? 50時間くらい ミルドラー…

ドラマ・アニメについて・・・

新しいドラマ・アニメが続々と始まったので、少しコメントを書きます。 (ドラマ) 『シバトラ』・・・川野直樹君懐かしいですね。『怪奇倶楽部』観てましたよ。藤木直人さんは鍛えてますね。『学校じゃ教えられない!』・・・メインの女学生たちに関して言うと、…

武富健治『鈴木先生』(5)

いやはや、今回も過剰な描き込みの量でしたねぇ。あまりにも豊穣なものを含んでいるので、学校の掃除について個人的な回想を書きますと、僕自身は、掃除が好きなタイプの人間だったので、覚えている限り、サボったことはないです。中学時代は僕はいつも3人で…

羽生生純『アワヤケ』(4)

完結しました。まぁ、家族をテーマにした表現としては、新しいとか、画期的だとか、そういうものでもなかったですね。マンガ自体のナンセンスさにおいて、突出している部分があるとはいえ、「家族なんて虚構だ」みたいなことは、今まで散々言われてきたこと…

二十五歳

めざましテレビの「ココ調」というコーナーで、25歳についてやってました。加藤智大とサカキバラ君が、1982年生まれということで、現在25歳の人々はどんな意識で生きているのか、というのを明らかにする、という主旨のものでした。以下、そこで出たアンケー…

コミュニケーション能力

昨日の讀賣新聞で、石田衣良さんの京都女子大(?)におけるパネルディスカッションの様子が紹介されていて、石田さんはこんなことを言っていました。いわく、今の時代に必要なのはコミュニケーション能力。そのために女学生諸君はお気に入りの作家を見つけ…

Define me! Define me! Love me! I need love!的な時代

「〇型自分の説明書」というシリーズ本が売れているみたいですね。血液型による人格類型論がいつ頃出てきたのか知りませんが、こういう言説が出てくると、それに対する反応として「科学的根拠はない」と一笑に付す人、「科学的根拠はないが、暗示効果は無視…

宮台さんの反応

『現実でも一人。ネットでも一人』『みんな俺を避けている』などの書き込みから見ると、加藤容疑者は社会に居場所が見つけられない不満を強く感じている。背景には若者文化の変質があろう。 かつては人づきあいが苦手な若者たちの『もう一つの居場所』が若者…

ドラマ『ラスト・フレンズ』について

12日の放送で視聴率が20%を超えた『ラスト・フレンズ』ですが、僕も興味深く拝見しております。散漫なエントリになるとは思うのですが、僕が思うところを少し書いてみたいと思います。まず、僕が面白いと思うのは、及川宗佑という登場人物の描かれ方ですね。…

秋葉原通り魔事件はもういい

たまたま手元に新聞がたくさんあったので、昨日は秋葉原通り魔事件についてシコシコまとめてましたけども、ネットの方がよっぽど詳しい情報を、楽に集められることがわかりました。僕がこの事件を、世間並みの関心を抱きながら追っていて思ったのは、加藤智…

クローズアップ現代(スピリチュアルブームについて)のメモ

不安・孤独の受け皿としてのスピリチュアル 社会背景=競争激化、格差拡大 親・友達には相談できない 男女問わずニーズがある 今はコンサルタント的な役割を占い師やヒーラーが務めている 企業レベルでのヒーラーによるセミナーがある −−−−−−−−−−−−− (香山…

秋葉原通り魔事件まとめ

毎日新聞夕刊8面<5月29日〜31日の主な書き込み> 5月29日 友 主は何に対しても否定的。アタシもそんな主を否定していたけど、主みたいな人もありだなと思うようになった 主 何のメリットもないですよ 友 じゃアタシと今日から友達。今日は仕事終わったの? …

末次由紀『ハルコイ』、村上かつら『ラッキー Are you LUCKY?』

人間に対する信頼を一瞬取り戻しかけさせるほど強烈なマンガ。僕のようなニヒリストは同時にロマンティストでもあることを再確認しました。末次由紀さんに関しては『ちはやふる』も話題になっているようですね。僕も読みましたが、僕は『ハルコイ』の方が衝…

浅野いにお『おやすみプンプン』(3)

峯田さんの帯評にインスパイアされて、少し書きたいと思います。峯田さんは「このマンガは子供の視点から描かれたマンガで・・・」ということを書かれていますが、僕も『おやすみプンプン(以下プンプン)』については、パースペクティヴに対する注意が必要だ、…

ドストエフスキーという小さな産業

斎藤某、というのはひどいね。コミュニケーション力、退屈力、コメント力、段取り力、発想力、教育力、読書力、眼力etc. 力々のオンパレードですわ。そういった全ての力は、ドストエフスキーやゲーテ、フロイト、そういった人たちの著作を読み、三色ボールペ…

GO!GO!7188『虎の穴(2)』、『片思いファイター』

『虎の穴(2)』は、素晴らしいです。めちゃくちゃカッコいいじゃないですか。「聴きながら本でも読むか」と思ってたんですけど、とんでもありませんでした。ヘッドフォンで聴いていたのですが、胸が高まりっぱなしでした。もちろんこれは、音量がデカかった…

カネコアツシ『SOIL』(7)

様々なことが語れそうで、まったく語れないマンガ。多くの内容が含まれていそうで、もしかするとそうでもないかもしれないマンガ。このマンガはよく分かりません。おそらくカネコアツシは、マジックワードを使うのが上手なんだと思います。「こんなに大風呂…

ひぐちアサ『おおきく振りかぶって』(10)

このマンガの新刊を読むたびに、アフターヌーンの定期購読者は勝ち組やな、と思います。中学1年生のとき、もうかれこれ10年以上前になりますが、K君というアフターヌーンを定期購読していた友達がいまして、「変わった奴やなぁ」という印象を抱きながらつる…

今期のドラマ、アニメ

えー、相変わらずドラマやアニメを観ているわけですけど、ドラマに関して言うと、今観ているのは『ラスト・フレンズ』、『ROOKIES』、『ごくせん』、『ハチワンダイバー』くらいですね。あとは、NHKのなんでしたっけね・・・野球のやつを観てます。この中で一番…

福満しげゆき『うちの妻ってどうでしょう?』(1)

ますます小規模ぶりに拍車がかかっているような気がします。福満さんの創作ノートを覗き見ているようで、ファンにはたまらない作品かと。ストーリーマンガのように、きちんと構成されているわけではなく、『僕の小規模な失敗』で見られたような、読者泣かせ…

藤村真理『少女少年学級団』(1)

25の男が言うべきではないでしょうが、「胸キュン」です。少女少年学級団 1 (マーガレットコミックス)作者: 藤村真理出版社/メーカー: 集英社発売日: 2008/04/25メディア: コミック購入: 1人 クリック: 14回この商品を含むブログ (30件) を見る

柴田ヨクサル『ハチワンダイバー』(7)

相変わらず、菅田君は笑わせてくれます。いや、全ての登場人物が笑わせてくれます。ハチワンダイバー 7 (ヤングジャンプコミックス)作者: 柴田ヨクサル出版社/メーカー: 集英社発売日: 2008/05/02メディア: コミック購入: 6人 クリック: 87回この商品を含む…

小玉ユキ『坂道のアポロン』(1)

えー、すみませんでした。単行本で読み直しました。面白いです。「ピーコックで昼食を」には笑いました*1。太陽族(あるいはその少し後)の時代設定なので、金持ちのボンボンが海で女の子をナンパして、という日活映画的イメージが強いのですが、小玉さんは…

小玉ユキ『坂道のアポロン』(1)

まぁフライングなんですが、連載を読んだ限りでは、あまり惹かれるところがありませんでした。確か60Sの九州を舞台にしていたと思うのですが、その舞台設定にする必要はあるかしら、というのがこれまでの感想です。

山川直人『地球の生活』

山川さんはトーマス・マン的なところがありますね。「芸術家VS市民」という対立を芸術家の観点から描く作品が多いように感じます。「ほら穴」という作品のタッチは素晴らしい。どう表現すればいいのか分かりませんが、どこかに連れて行くようなところがあり…

押切蓮介『ミスミソウ』

押切蓮介の『ミスミソウ』を読みました。Amazonレビューが良かった、という安易な理由で購入したのですが、正直、特筆すべきものはほとんどないように思いました。過疎化の進んだ村(あるいはニュータウン)と狂気を結びつけるような作品は数多く見られます…

理由なき残酷性−ニコライ・スタヴローギン

年齢を重ねるにつれて、いわゆる正義のヒーローみたいなものには、ほとんど心が惹かれることがなくなってきました。発言を聞いていても「そんなことわかってるよ」と思ってしまうんですね。しかしながら、アンチヒーローは好きで、最近では夜〇月やルルー〇…