『カフカ・セレクション1時空/認知』

平野嘉彦さんチョイスのカフカ作品集。平野さんは、ドイツ語文学研究者としてとてもユニークな人で、僕も大ファンです。この『カフカ・セレクション』(全三冊)ですが、第1巻を読むと、コアなカフカファン向けという感じを明らかに受けました。平野さんの『プラハの世紀末―カフカと言葉のアルチザンたち』を読めば、彼がどのような観点からこういう作品を選択したのか、少し分かるかも知れません。とにかく珍しい作品が載ってます。2は「運動/拘束」、3は「異形/寓意」というテーマ設定です。3が一番売れそうですね。ちくま文庫は勇気があるなぁ。

カフカ・セレクション〈1〉時空/認知 (ちくま文庫)

カフカ・セレクション〈1〉時空/認知 (ちくま文庫)