『カフカ・セレクション1時空/認知』

平野嘉彦さんチョイスのカフカ作品集。平野さんは、ドイツ語文学研究者としてとてもユニークな人で、僕も大ファンです。この『カフカ・セレクション』(全三冊)ですが、第1巻を読むと、コアなカフカファン向けという感じを明らかに受けました。平野さんの『プラハの世紀末―カフカと言葉のアルチザンたち』を読めば、彼がどのような観点からこういう作品を選択したのか、少し分かるかも知れません。とにかく珍しい作品が載ってます。2は「運動/拘束」、3は「異形/寓意」というテーマ設定です。3が一番売れそうですね。ちくま文庫は勇気があるなぁ。

カフカ・セレクション〈1〉時空/認知 (ちくま文庫)

カフカ・セレクション〈1〉時空/認知 (ちくま文庫)

雑誌『考える人』2008年5月号、8月号

5月号・・・海外の長編小説ベスト100が載っている。やっぱりドストエフスキーが強いんだな。僕が少し気になったのは、世紀末のイギリス文学に対する評価が低いこと。H.Gウェルズとか、アーサー・ドイルとか、ブラム・ストーカーとか。やはり、通俗小説扱いなのか。コンラッドやスティーヴンソンはかろうじでランクインしているけど、それでも正当に評価されているとは言いにくいでしょうねぇ。光文社古典新訳文庫は頑張ってるけど、別に新訳する必要がないものも多いからなぁ。個人的には、H.Gウェルズの『トーノ・バンゲイ』とか、そういうのを訳し直して欲しいんですが。

考える人 2008年 05月号 [雑誌]

考える人 2008年 05月号 [雑誌]

8月号・・・日記・伝記などに関して載っている。一番興味を惹かれたのは、山本貴光さんの記事で、こういう兄貴がおったらなぁ、と思いました。何冊読んでいるんだと。
考える人 2008年 08月号 [雑誌]

考える人 2008年 08月号 [雑誌]

『考える人』は良い雑誌ですね。こういう雑誌は、どんどん読みたいです。

DS版ドラクエ5プレイヤーさんに10の質問

ドラクエ5攻略|極限攻略データベースから
Q1.あなたのお名前(ハンドルネーム)を教えてください。よろしければ年齢と性別も教えてください。
karakozov 25 男

Q2.今のプレイ時間はどれくらい?また、どの辺まで進めましたか?
50時間くらい ミルドラースエスターク撃破済。モンスター図鑑完成済。名産品、すべて収集済。あとは、プチタークとか、ブオーンを育てるくらいしか、やることがない。

Q3.今のパーティーのメンバーはどんな感じですか?お勧めのキャラもいたら教えてください♪
主人公、キラーマシン、プチターク、ヘルバトラーライオネックブオーン、勇者、スライムナイト(ゴーレム、スライムベホマズンは成熟しきっているのでじいさんに預けている)

Q4.結婚相手は誰を選びましたか?また、DS版の新キャラ「デボラ」についてはどう思いますか?
ビアンカ。デボラ目当てで買ったのに、まったく惹かれんかった。

Q5.主人公や子供、ベビーパンサーの名前はどうしましたか?
主人公=ジジェク 息子=レイモン 娘=カルラ ベビーパンサー=モモ
主人公の名前は哲学者や文学者から取ることが多いです。後はテキトーです。恋愛シミュレーションゲームでも、自分の名前は付けません。

Q6.今までにスーファミ版やプレステ版のドラクエ5は合わせて何回くらいプレイしたことがありますか?
5、6回くらい(計400時間くらい)

Q7.DS版は今までのSFC版やPS2版と違う部分がいくつかありましたが、DS版の良かった点、悪かった点はありますか?
良=戦闘画面(娘のポーズがかわいい)、(当たり前だけど)テレビモニタを使わずにできる
悪=特になし(そもそも追加要素には期待していなかった)

Q8.ドラクエ5の登場キャラの中で、一番好きなキャラは誰ですか?人間とモンスター1人ずつ挙げてください!
キラーマシン(デザインが好きなので)
娘(「おおきくなったらおにいちゃんとけっこんする!」)

Q9.今後ドラクエ6もDSでリメイクされる予定ですが、買う予定はありますか?また、どんなことに期待しますか?
買う。特に期待はしていない。

Q10.最後に、今回のDS版ドラクエ5の面白さについて、あなたなりに採点すると何点くらいですか?理由もお願いします♪
70点。RPG特有のカタルシスは得られる。やり込み要素もある。モンスターが仲間になる、という設定にあるファンタジー性は素晴らしいと思う。ただ、やっぱり身体感覚を伴ったゲーム性は乏しい。これはRPGというジャンルそのものに付随する問題だけど、Wiiが登場してから、殊にそう思う。もう、少年誌的なドラマツルギーに対して、純粋にワクワクできるような年齢でもないんだよな。

ドラマ・アニメについて・・・

新しいドラマ・アニメが続々と始まったので、少しコメントを書きます。
(ドラマ)
シバトラ』・・・川野直樹君懐かしいですね。『怪奇倶楽部』観てましたよ。藤木直人さんは鍛えてますね。

学校じゃ教えられない!』・・・メインの女学生たちに関して言うと、仲さんしか知らないですねぇ。仲さんにはレアメタル的・啓発的価値があると思うので、頑張って欲しいです。ただ内容に関して言うと、男は好きな女をオナペットにする、というのは全くのデタラメだと思いますよ。

ゴンゾウ』・・・刑事ドラマで一話完結でないのは、観続けるのがしんどいです。

『四つの嘘』・・・永作博美さんは日活ロマンポルノ的ですね。勝地涼君は、髪が長くなって、随分雰囲気変わりましたね。『スタンド・バイ・ミー』みたいにはならないでしょうね。平凡な主婦役の寺島しのぶさんは、さすがです。ものすごく生活臭が漂っています。

コード・ブルー』・・・比嘉愛未さんのツンツンぶりぐらいしか、見所がありませんねぇ。新垣結衣さんに関して言うと、彼女のCDに関するAmazonレビューで、「女優としては良いが、歌手としてはどうも・・・」みたいなことを書いてらっしゃる方が多いのですが、僕は「女優としてもどうも・・・」と思ってしまいます。僕は、長澤まさみさんと同様、喋り方が舌足らずに思えて、あまり好きになれないのです。まぁ、趣味の問題ですが。内容は「成長モノ」ですね。「医龍」のようなLast-Minute-Rescue的な緊迫感はあまりないです。

『魔王』・・・大野智君、生田斗真君は、舞台経験が豊富(?)なだけあって、さすがですねぇ。BBSなどを見ても、前者は20代〜50代の、後者は10代の、ハートをがっちりキャッチしているようです。小林涼子さんは、『砂時計』からそんなに時間も経っていないのに、随分大人っぽくなられましたね。思えば『砂時計』はすごい昼ドラでした。特に中学時代のエピソードは、かくも甘い映像がテレビ画面に映し出され続けたことが、これまであっただろうか、と思わせるような内容でした。「韓国/復讐モノ」ということで、僕は短絡的にパク・チャヌク監督の復讐三部作を思い出し、DVDを引っ張り出して観たのですが、『復讐者に憐れみを』はやはり素晴らしい映画ですねぇ。痛い、うるさい、臭い、熱い、というように、身体感覚に迫ってくるようなところがあります。貧困の問題も、きちんと描かれてますよね。

ヤスコとケンジ』・・・『お父さんは心配症』(主演・生瀬勝久)だったらダメなの?(笑)誰か、あ〜みんを探し出して、ドラマ化交渉にあたる猛者が現れないものか、と少し思います。冗談はさておき、これはドラマというよりも、「顔芸」といった風情ですね。多部未華子さんは、よく声の通る人ですね。鼻歌のやたら上手なのが気になりました。

『Tomorrow』・・・緒川たまきさんのツンツンぶりぐらいしか、見所がありませんねぇ(Déjà vu)。スローモーションの多用が鼻に付きます。設定など、今までのドラマと重複する部分が多く、ほんとに緒川たまきさんのツンツンぶりぐらいしか、見所がありません(しつこい)。

『CHANGE』(最終回)・・・「政治ドラマであって、ドラマとしての政治性など全くない」と思っておりましたが、最後にやってくれました。あの長回しは、内容云々関係なしに、価値があると思います。

(アニメ)
チラ見した程度ですが。

ストライクウィッチーズ』・・・動物化にもほどがある!

個人的に、もうアニメは後追いで良いです。コナン、ケロロちびまる子ちゃんは観ます。齢なんでね。

武富健治『鈴木先生』(5)

いやはや、今回も過剰な描き込みの量でしたねぇ。あまりにも豊穣なものを含んでいるので、学校の掃除について個人的な回想を書きますと、僕自身は、掃除が好きなタイプの人間だったので、覚えている限り、サボったことはないです。中学時代は僕はいつも3人で―♂二人と―帰っていたのですが、教室の外で二人が待っていて、何やら楽しげに話しているのを掃除しながらチラチラ見ている感じとか、普段は話さないようなクラスメイトが構えるチリトリの中に、遠慮がちにアイコンタクトを取りながら、ゴミを掃き入れる感じとか、今から思えばそういうのが楽しかったですねぇ。もうあんな風に掃除をすることもないんやろうなぁ。もちろん、学校は息苦しい場所には違いなかった、というのはありますけど、そこでしかできない経験というのも、やっぱりあるんですよね。ナイーヴでセンチメンタルな話ですけど。ただ、真面目にやっていた人間としては、丸山康子の苦悩も分かる気がします。中学時代は女子がいたこともあってか、露骨にサボるようなクラスメイトはいなかったと記憶しているのですが、高校は男子校だったので、普通に帰るような奴もいまして、悪い班になったときは、ひとりで掃除をするというようなこともありました。まぁ、先にも書きましたように、僕は掃除が好きだったので、黙々とひとりでやっていたのですが、さすがに机を運び、教室全体を掃き、机の上を雑巾で乾拭きして、ゴミを集め、ゴミ捨てへ行き、教室の鍵を閉めて、鍵を職員室まで持っていくとなると、ひとりじゃ辛いな、と思うこともありました。まぁ、学校の掃除なんてのは、高校生くらいの男子学生にとっては、真面目にするに値しないことでしょうが、僕にとっては結構、思い出深いものでもあるんですよね。そういった意味で、鈴木先生の「@掃除当番」は個人的に、思うところが多かった回でしたね。

鈴木先生 5 (アクションコミックス)

鈴木先生 5 (アクションコミックス)

羽生生純『アワヤケ』(4)

完結しました。まぁ、家族をテーマにした表現としては、新しいとか、画期的だとか、そういうものでもなかったですね。マンガ自体のナンセンスさにおいて、突出している部分があるとはいえ、「家族なんて虚構だ」みたいなことは、今まで散々言われてきたことですから。完結したことで、作品自体も矮小化してしまったかな、という感が拭えませんね。
作者があとがきで書き記しているように、「あなたの子供に生まれてきて良かった」という結婚式に新郎新婦が朗読する手紙のような、あるいは「お前の笑顔が、お父ちゃんの栄養さ」という小さいお子さんのいる家庭から来る年賀状のような、そういう家族の描き方が、最近目立っていて、それに対して気持悪さを感じている、というのは共感できます。SEAMOの『MOTHER』とかが、典型ですけどね。あれは、2pacが「Dear Mama・・・」と唄うのとは、違うと思うのですが、こんなことを書いたら、ファンの人に叱られるかな。まぁ、良いですけど。
最近、家族を中心テーマにした表現で、感心したことがあるとすれば、年代記的なスゴさを感じたとき位だと思います。それはただ、かくも精緻に描いた、という作者の根気、誠実さと技量に対する拍手喝采であって、そのような役割は、メディアとしての性質上(あるいはサイズの問題上)、小説やテレビドラマが担うことになります。というわけで、家族マンガに対しては、オルタナティヴな家族観/家族像を提示する類のものを期待するわけですが、それが難しいみたいですね。「はっは〜ん。そうきたか」というものには、まずお目にかかれません。今後しばらくの家族マンガは、合わせ技で何とか凌いでいくしかないのだと思います。しかしながら、こういう虚脱感/停滞感は、才能ある描き手が一人現れればすぐさま払拭される類のものなので、そういう才能を期待しつつ、来月もマンガを読みたいと思います。来月は継続購入中マンガの新刊が数多く出版されるので、個人的には楽しみでもあり、憂鬱でもあります(預金残高≒0)。
※ここで、『アワヤケ』を誉めることはできませんでしたが、普通に読めば面白いマンガです。おススメはし辛いですけどね。ダメな人はダメだと思いますし。

アワヤケ 4 (BEAM COMIX)

アワヤケ 4 (BEAM COMIX)