第12回手塚治虫文化賞について少しだけ語る

僕はどのマンガが受賞しようと構わないのですが、ノミネートされており、かつ既読の作品について少し書きたいと思います。ちなみに僕が読んでいる(あるいは読んでいた)のは、『海街diary』、『海獣の子供』、『ハチワンダイバー』、『NANA』、『レッド』、『闇金ウシジマくん』です。だいたい半分くらいですね。
まず、『海街diary』は、僕が読んでいるマンガレビューサイトさんでも推されている方が多いですね。そういうサイトの管理人さんは、とりわけこの作品に愛着を持っている、というよりは漫画家・吉田秋生の漫画界への貢献度を評価されているようです。僕自身は、やはり第1話の出来からすると後続のエピソードが見劣りする、というのがあって、正直微妙だと思っています。
次に『海獣の子供』ですが、やはり絵・ストーリーのトータルでは、一番良いのではないか、と思っているんです。ただ、絵についてきちんと評価できる選考委員がどれくらいいるのか、という問題があって、そういう意味では不幸な作品になるかも知れませんね。
ハチワンダイバー』に関しても同じようなことが言えて、ストーリーを重視されるとこの作品はキツいものがありますね。やはりあのスピード感、躍動感を生み出すコマ割りをどこまで評価してくれるのか、ということになると思います。お手本のようなマンガなんですけどねぇ。
NANA』については、「う〜ん」という感じがします。もうこの作品の旬は過ぎたのではないか、と思いますし、あちこちのレビューを見ていても、そういう感は否めませんね。失礼ですが、なぜ今ノミネートされたのか、不思議です。
『レッド』はまだ一巻しか発売されてないので、難しいですね。面白くなってくるのはこれからでしょうから、賞レースで存在感を発揮するのは来年で良いのでは、と思います。
さて、最後が『闇金ウシジマくん』ですね。僕は内容的にはこの『闇金ウシジマくん』がピカイチだと思ってるんです。徹底した取材に基づくエピソードの掘り下げ方、安定したクオリティー、ウシジマくんを安直なヒーローにしないことなどを含めて、素晴らしい作品だと思っております。人間の欲望や弱さをまざまざと見せつける労作です。
てなわけで、僕の予想として、本命は『闇金ウシジマくん』、対抗が『海獣の子供』ということにしておきましょう。