田邊剛『累』(弐)
「これぞ、和製恐怖の真骨頂」と帯には書かれていますが、ただ恐怖を感させるだけでなく、人間のさまざまな側面について、なかなか考えさせる内容になっております。もし、豊志賀の亡霊を具現化させているものが、彼女の怨念であるとすれば、「罪を犯した人間は、その罰を受ける」という話になりますし、新吉のguilty conscienceであるとするならば、「罪を犯した人間が、その罪意識から解放されることはない」という話になります。このマンガにおいては、どちらにも取れるように描かれています。途中に挿入される、累ヶ淵に関する逸話なども沈思黙考を促す内容になっております。夜寝る前には読みたくないマンガです。
- 作者: 田邊剛
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2007/11/26
- メディア: コミック
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