漫画に関する個人的基準
歳を喰ってくると、自分の許容範囲がどんどん狭まってくるのが分かります。人に関しては寛容になってきていると思うのですが、趣味的なものに関しては、どんどん不寛容になってきているようです。今回は漫画に関して思うところを少し書きたいと思います。
絵に関して言うと、まずアニメ絵的なものは受け付けなくなっています。今、少年誌を読むことが、おそらく僕にはできません。後、角川系列のものもダメでしょうね。まぁ、メディアミックス自体には、半分は肯定し、半分は否定する立場を取っているので、別に構わないと思いますが、消費者として、コミックスを手に取ることは少ないと思いますね。
まぁ、「これはアニメ絵か?」という微妙なラインもあります。羽海野チカさんとかは微妙なラインですね。羽海野チカさんに関しては、別の理由からあまり好きではないのです。その理由とは下らないもので、実に幼稚な理由なんですけどね。彼女は、漫画の帯評を書きすぎる、という(笑)まぁ、大人の事情があるのは分かるんですけども。
だから僕は、アニメ絵以外のものは上手下手問わず、肯定することにしているんです。福本伸行は下手だと言われていますし、アニメ化もされてますが、アニメ絵ではないのでオッケー。矢沢あいはめちゃくちゃ上手いですが、アニメ絵だからダメ。極端に言うと、こういうことになります。
ストーリーに関して言うと、アッパーなものよりもダウナーなものを、シリアスなものよりもコミカルなものを、好む傾向にあります。アッパーなものを読むと、シリアスな場面や状況が出てきても、「それは最期に自己啓発的な教訓を言うための符丁だろう」と思ってしまうんですね。
そもそも、シリアスとコミカルを分けることは難しくて、物語内部の人間がシリアス(なつもり)であるにも関わらず、読者の引いた視線から見ると笑ってしまう、というのが好きなんです。山本直樹の『ありがとう』に出てくるお父さんとか、『アワヤケ』の淡谷大惨事を思い浮かべていただければいいでしょう。
それならお前の好きな漫画家とは誰なのか、ということですが、僕が今好きな漫画家を5人挙げるとするならば、武富健治、福満しげゆき、山川直人、岡崎京子、岩本ナオ、ということになります。まぁ、武富健治と福満しげゆきに関しては納得していただけるのではないでしょうか。
残りの三人に関しては説明するのが少し難しいのですが、普通の人間が淡々と生きていく感じを温かいまなざしで描写しているのが好きなのかも知れません。岡崎京子さんについて言うと、『私は貴兄のオモチャなの』という作品集が一番好きなんです。これら5人の漫画家さんについては、別の機会に書くこともあるでしょう。
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